拠点概要

共同利用・共同研究拠点とは、研究設備や資料・データ等を全国の研究者の共 同利用に供し、または共同研究を行うことで、大学の枠を越えた学術研究を効果的・効率的に推進するシステムとして機能する機関であり、文部科学大臣によって認可されます。
京都大学経済研究所は、わが国の経済系研究所群において、唯一経済理論に重きをおいた体制を構築している研究所です。早くから数理・計量経済学の研究拠点として広く内外に認知されており、とくに近年は、マクロ経済動学・空間経済学等の「複雑系経済学」とゲーム理論等の「経済戦略と組織の研究で成果を上げています。

このような実績を背景に、研究者コミュニティーからの要望に応え、平成22年度から平成27年度まで、経済研究所は「先端経済理論の国際的共同研究拠点」として共同利用・共同研究拠点に認可されました。この拠点活動が評価され、平成28年度には、本研究所は共同利用・共同利用拠点として再認定されました。本研究所では、これまでの経済理論研究の国際的な拠点活動を通じて培ってきた、国外・国内の研究者ネットワークを研究資源として外部の研究者に提供します。

現在、経済研究所では、年間50名を超える優れた海外の研究者を招いて、国際コンファレンスの開催や所員との共同研究を行っています。また、ミクロ経済学・ゲーム理論、計量経済学、都市経済学、マクロ経済学・経済システム等の分野で、年間100回を超える研究会を開催しています。
さらに、国際学術雑誌の編集・出版に携わり、海外の研究機関と研究交流協定を結ぶ等の活動もしています。

このような大学の枠を超え、海外に開かれた共同研究の場をさらに一層多くの研究者に提供します。そのために、外部の研究者を代表とする公募型共同研究プロジェクトを実施します。公募型共同研究プロジェクトは、外部研究者が研究課題と研究組織を提案し、所員と連携して研究所の研究者ネットワークや研究設備、電子リソースを活用し、一年間にわたって集中的に行う研究プロジェクトです。プロジェクトからの新規研究課題の発掘や、独創的研究構想の国際的共同研究への発展等 を目指します。

平成29年度は、全国から応募された研究プロジェクトから、メインテーマ研究課題(グローバル経済下の諸問題に関する経済分析)2件、一般研究課題11件が採択されました。 また、拠点では、先端経済理論研究やその応用領域に関連する国際コンファレンス・シンポジウムを開催し、広く情報発信していきます

拠点概要

Pacific Economic Review (PER) 12月号の(年4回出版のうちの1回)出版を開始しました。この雑誌は、もともと、Hong Kong Economic Association が編集・制作してきた学術誌で、アジア圏を代表する学術誌として、世界の経済学会で高い評価を受けています。従来から編集に携わってきた国立台湾大学に並んで、本年度から、京都大学経済研究所が編集に参加することで、東アジアを代表する専門学術誌の地位を築くことを目指しています。

とくに、PER はISI社が出版しているSocial Science Citation Index の中にも収録されている一流学術誌であり、世界の研究所コミュニティーに最先端の研究を発表する機会を提供することで、将来の経済に重要な研究をする役割を担っています。今後、アジア圏の諸国が急速に国際的影響力を増していく中、そのことが我が国の経済学コミュニティーの振興に大きな力となると考えます。経済研究所先端政策分析研究センターの共同での発行により、先端政策分析研究センターに所属する政策関係機関からの出向者からの協力を得て、現実の政策分析という、これまで、PERのスコープに入らなかった分野にも守備範囲を広げました。経済学・経済政策にかかわる多数の研究者からの投稿をお待ちするとともに、レフェリー活動などを通じたご協力をお願いいたします。


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